上方歌・歌詞

 
     
 

≪いざや≫

 
 

いざや行きましょう住吉へ 芸者引きつれて 新町両側花やかに 沖にちらちら帆かけ船 
一艘も二艘も 三艘も四艘も五六艘も おや追風かいな ええ港入り 新造船
障子明くれば 差し込む窓の月明かり ともそまいぞえ蝋燭を 暗になったらともそぞえ
一丁も二丁も 三丁も四丁も五六丁も おやともそずいな ええ蝋燭を しょんがえな。

解説:芸妓を引き連れて住吉詣りという大尽」遊びの情緒を描写した曲。

 
     
 

≪宇治茶≫

 
 

宇治は茶どころ さまざまに 中に噂の大吉山と 人の気にあう水にあう 色も香もある好いたどし すいな浮世にゃ野暮らしい こちゃこちゃこちゃ濃茶の仲じゃもの。

 
     
 

≪京の四季≫

 
 

春は花 いざ見にごんせ東山 色香あらそう夜桜や うかれうかれて粋も不粋も物がたい二本ざしでもやわらこう 祇園豆腐の二軒茶屋 みそぎぞ夏はうち連れて 川原につどう夕涼み
よいよいよいよいよいやさ
真葛ケ原にそよそよと 秋ぞ色増す華頂山 時雨をいとう傘の 濡れて紅葉の長楽寺 思いぞ積もる円山の 今朝も来て見る雪見酒 エエ そして櫓のさしむかい よいよいよいよいよいさ。

 解説:京都の四季折々の風趣を詠み込んだ、音頭風のお囃子が入り、賑やか曲。

 
     
 

≪住吉≫

 
 

堺住吉反り橋渡る 奥の天神五大力 おもと社や神明穴から 大神宮さんを伏し拝み誕生石には 石を積む 赤前垂れが出て招くゴロゴロせんべい竹馬に 麦わら細工やつなぎ貝 買わしゃんぜ。

 解説:お座敷唄として流行し、住吉の風物を唄い、「ゴロゴロせんべい」「麦藁細工」「つなぎ貝」等は名産品名。

 
     
 

白酒(しろざけ)

 
 

そもやそも この富士の白酒と申すは 昔むかし駿河の国 三保の浦に白龍という漁夫 天人と夫婦になり その天乙女の女房より 流れ出でたる色を見て 造り始めし酒なるゆえに それからどうしたえ
エエ第一寿命の薬にて さればにや 東方朔はこの酒を 八杯飲んで八千年 また浦島は三杯飲んで
三千年 三浦の大助百六つ おおさッてもてもサッても寿命の長い富士の白酒しろざけ。